偶然ではなく,最初からつながっていた。だから,その運命をつかまえられる。
トレピア社は,自分の近くにいる無線ネットワークで接続しているユーザーを発見し,チャットできるインスタントメッセンジャーを発表した。コンタクトリストには,自分のすぐ近くにいる人がリストされる。
小説や漫画のような運命的な出会い,というのは存在しない。ぃゃ,存在するのかもしれないけど,思っているものの5万分の1ぐらい少ない。街角を歩いて,すれ違いざまにあの人だ,と気付いて話しかけた,というのは普通思う通り,イカサマくさい。で,実際イカサマだ。だが。
ワイヤードでは,そんな出会いを引き寄せることが容易になるので,ちょっと話が変わってくる。もともと,つながりが前提としてある,世界。たどれば,運命的な出会いは,目でみえる。ある人はトレピアのIMでコンタクトリストをクリックするだろうし,ある人はオンラインゲーム上で目の前にいる人とパーティを組む。伸ばした手は,イカサマくさくなくて,リアルになる,運命になる。
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